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次に非常に大事なことですが、けがの処置をしながらいつも負傷者の全身状態を注意深く観察していなければなりません。
特に注意しなければならないのがショックです。
ショックとは何らかの原因で血圧が低下している状態のことで、組織は低酸素状態となっていて、重要な臓器に血液が十分に供給されなくなります。
この状態が持続すると、最終的には生存することが不可能な不可逆ショックとなります。
ショックの原因、あるいは発生起点のうち、日常多く遭遇するのは止血と疼痛であり、中でも重要なのは出血です。
負傷者に「脈が弱く、早い」、「呼吸が浅く、早い」、「顔面が青白くなり、唇が紫色になる」、「意識の混濁、不穏、錯乱」、「手足が冷たく大量の汗が出る」などの症状が見られた時は救急車を呼び、一刻も早く設備やスタッフの整った病院へつれて行かないと、取り返しのつかないことになります。
また、負傷した手や足の痛みが強く動かないときや変形しているときは、骨折や脱臼を伴っていると考える必要があります。

 

 

 

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